変革2

ぐるぐると記憶の渦が押し寄せてくる。
笑うルック。
微笑み返す僕。
懐かしく優しい思い出。
それから・・・・・・。
「どうしたんだいササライ?」
この人が全ての元凶。
僕たちを突き放し僕を。
「あはは。なぁんだ」
「兄さん?」
ルックは心配そうにササライに問いかける。
「ルックごめんね。ずっと忘れてて」
「まさか思い出したのかい」
「そうですよ」
「で、君はどうするつもりかい?故郷を捨てるの。部下も何もかも捨てれるのかな」
 
胸がドキンドキンとなって苦しい。
彼の答えは分かっているけど、自分の元に来ることはないけどすがりたい。
彼がいなければここにいる意味などないのだから。
ルックもヒクサクもじっとササライの回答を待っていた。
「僕はルックと歩けないよ」
あぁ分かっていたけどつらい。
それにあいつの誇らしげな顔が悔しくてたまらない。
「そうか。よかった。ルックはどうするのかな。来てくれるよね。ササライがいるんだもの」
あいつはそれが当たり前だと思っているようだ。
でも、
「兄さんには兄さんの道があるように。僕には僕の道がある。
道は一つではないからね。またね兄さん」
ルックはヒクサクに掴まらないように急いで転移した。
何時までも僕だけの兄さんじゃないからね。
絶対あいつだけは許さない。
兄さんがいようと今度こそこの国を壊してやる。
 
二人はまた違う道を歩みだした。
戻る 幻水
終わりです。
全部の話しは1話完結としてみていただければいいような気がします。
前の話とかなり飛んでいるんですよね。

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